2026年6月25日、国会で危険運転致死罪の改正法が成立しました。

今回の改正法では、危険運転致死罪の要件として具体的な数値基準が導入されました。この改正法で何が変わったのか、「スマホのながら運転」も危険運転致死罪に含めるべきと言われていたが今回は見送られた「スマホのながら運転」の危険性について説明していきたいと思います。
今回の改正法で変わったこと
2026年6月25日に成立した危険運転致死傷罪の改正のポイントは3つです。
① 飲酒運転に数値基準を明記
飲酒運転について現在の法律では「アルコールの影響で正常な運転が困難な状態」とされていますが、改正法では「呼気1リットルあたりのアルコール濃度0.5ミリグラム以上」へ変更になります。
また、基準に満たなくても「重大な危険の回避が著しく困難」な場合も引き続き危険運転として処罰可能となっています。
② スピード違反(高速度)にも数値基準を明記
スピード違反について現在の法律では「走行を制御するのが困難な高速度」とされていますが、改正法では「最高速度60㎞以下の道路(主に一般道)は+50km以上、最高速度60㎞以上超の道路(主に高速道)では+60㎞以上」へ変更になります。
③ ドリフト・ウィリーなど危険走行を追加
現在の法律では含まれていなかった危険走行の項目が改正法では追加されました。改正法では危険走行について「殊更にタイヤを滑らせたり、浮かせたりして、進行制御が困難な状態で走行」と定義しています。


スマホのながら運転での事故も多いけれど、スマホのながら運転についてはどうなったの?

スマホのながら運転での事故については今回の改正法には含まれなかったなも。
でも、スマホのながら運転も危険運転致死罪に含めるように要望は出ているなも。
スマホのながら運転での事故についてみてみるなも。
参考資料:一般社団法人 日本自動車会議所
スマホのながら運転の事故
スマホのながら運転での事故件数の推移
スマホのながら運転の事故件数は2018年までは増加していました。しかし、2019年12月に道路交通法が改正されて罰則が強化されたことで一時的に減少しました。一時的に減少したものの、2021年以降はまた増加傾向になりました。2021年から5年連続増加と過去最多を記録しています。

実際にあったスマホのながら運転での事故
実際に合った事故の事例をみてみましょう。
記憶に新しいのは2026年4月に起きた新東名高速道路での交通事故ではないでしょうか。トラックの運転手がスマートフォンの画面を見ながら大型トラックを運転して交通渋滞で止まっていた車に追突。玉突き事故となって6名の方が亡くなりました。
その他にも、スマートフォンでの会話に気を取られて信号無視をして横断歩道を渡っていた男児をはねて男児が意識不明になった事故、助手席に置いてあったスマートフォンに気をとられて前を見ておらず女性がはねられて死亡した事故などがあります。
参考資料:静岡朝日テレビ、『ながらスマホ』に捜査規定なし? 横断歩道で娘亡くした両親、5年経っても消えぬ疑問符(YAHOOニュース)、【ながらスマホ】来年から罰則強化 2年前、娘の命を奪われた遺族の思い(YAHOOニュース)
なぜスマホのながら運転が危険なのか
「スマホのながら運転は危険」と言われていますが、なぜ危険なのか分かりますか。ただ前方の安全確認が疎かになるので危ないというだけではありません。
視線が外れる
スマートフォンを見ると、当然ですが前を見ていません。
例えば、時速60㎞で道路を走っていたときにスマートフォンの通知音が鳴ってスマートフォンを見るために前方から視線を2~3秒外したとします。その間に車は約33.3~49.95m進みます。この距離では前方に危険を感じてももう避けられない距離なのです。

判断力が落ちる
人間は「同時に2つのこと」をうまく処理できません。運転中の状況判断とスマートフォンの情報の理解を同時に行おうとすると脳の注意力を奪いうような状況になり、判断の遅れへとつながります。
手の操作が遅れる
スマートフォンを操作する場合、片手でハンドルを操作することになります。そうすると車の走行そのものが不安定になり、とっさのハンドル回避が遅れてしまいます。
「注意のトンネル化」が起きる
「注意のトンネル化」とは「目では見えているのに、脳が認識していない状態」です。人の注意は一点に強く集中すると、実際には目に映っているのに目に映っているものに気づけません。
そのため、注意がスマートフォンへ向いてしまうと歩行者が視界に入っていても気づかずそのまま衝突してしまう可能性があります。
判断の質そのものが下がる
運転中の前方確認とスマートフォンの情報処理などで脳の余裕がなくなると、「まだ大丈夫」という誤判断や危険の予測ができない、優先順位の判断ミスなどが起こり事故の危険性への見積もりが甘くなりやすいです。その結果、事故につながる可能性があります。
参考資料:警視庁、Cariot、PubMed Central

スマホのながら運転はすごく危ないよ!
それなのに法律では禁止されていないの?

今回の改正法で危険運転致死罪には含まれなかったけれど、道路交通法では罰則があるなも。
スマホのながら運転で事故を起こした場合の罰則
スマホのながら運転をした場合、現在は道路交通法に基づいて罰則があります。
| 違反内容 | 罰則(刑事罰) | 反則金(普通車) | 違反点数 | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| スマホを手に持って通話・画面注視(保持) | 6月以下の拘禁刑 or 10万円以下の罰金 | 18,000円 | 3点 | いわゆる「ながらスマホ」だけでも違反 |
| スマホ使用で事故・危険を発生 | 1年以下の拘禁刑 or 30万円以下の罰金 | なし(刑事処分) | 6点(免停対象) | 一発で免許停止レベル |
スマホのながら運転では一発で免許停止になる可能性もあります。
参考資料:政府広報オンライン
まとめ
2026年6月25日に成立した危険運転致死罪の変更点は飲酒運転の基準の明記、スピード違反の基準の明記、危険走行の追加の3つでした。
危険運転致死罪には含まれていませんが、スマホのながら運転は道路交通法で罰則が定められています。違反内容によっては一発で免許停止になる可能性もありました。
読んでいただいた方にスマホのながら運転は本当に危険だということが伝わり、スマホのながら運転をしない方が少しでも増えると幸いです。
危険運転致死罪の改正だけではない!
2026年4月には道路交通法も改正されています。
道路交通法についても確認してみてください。


