アイスのニュースで聞いた「カルテル」とは?消費者への影響は?

アイスのニュースで聞いた「カルテル」とは?消費者への影響は? トレンド

だんだんと夏に近づいてきました。アイスも恋しくなる日が多くなってきたのではないでしょうか。そのような中、先日このようなニュースが流れてきました。

物価高で便乗値上げか アイス価格カルテル:時事ドットコム
子供から大人まで幅広く愛される市販用アイスクリームなどの希望小売価格を巡り、大手メーカー6社によるカルテルの疑いが浮上した。公正取引委員会は、各社が原材料費高騰などの物価高を名目に「便乗値上げ」を行い、利益確保を図ったとみて調べを進める。

このニュースでは大手メーカー6社(明治、森永乳業、森永製菓、ロッテ、赤城乳業、江崎グリコ)によるカルテルの疑いがあり、公正取引委員会は各社が原材料費高騰などの物価高を名目に「便乗値上げ」を行い、利益確保を図ったのではないかとして調べているという内容です。

カルテル分かりますか?

カルテル…独占禁止法の何か…。学校で習った気も…。

そんな風にぼんやりとしている方多いのではないでしょうか。

物価が上昇している中での価格が上昇しても「物価高だから」と聞き流していては問題に気がつけません。今回問題となった「カルテル」はなぜいけないのか、「カルテル」が認められてしまうと何が問題なのかについて説明していきます。

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カルテルとは何か?

複数の企業が連絡を取り合い、本来、各企業がそれぞれ決めるべき商品の価格や生産数量などを共同で取り決める行為

公正取引委員会のホームページから引用

カルテルが成立してしまうと価格競争がなくなります。価格競争とは同じような商品・サービスを、どれだけ安く提供できるかを企業同士で競うことです。例を見てみましょう。

たとえばコンビニやスーパーで同じペットボトルのお茶が
お店A:150円
お店B:130円
だったら、多くの人は安いメーカーBを選びますよね。

→ するとお店Aは「じゃあ140円に下げよう」と考える
→ お店Bは「さらに125円にしよう」となる

こうして価格が下がっていくので消費者は同じ商品を安く買うことができます。

しかし、価格競争がなくなると価格競争で下がるはずの価格が下がらなくなります。そのため、消費者は安く買えたかもしれない商品を高く買わなければいけなくなります。このことは消費者に不利益をもたらすとして独占禁止法で禁止されています。

画像はChatGPTで作成

カルテルの説明で引用した公正取引委員会や説明の中で登場した独占禁止法についても説明していくよ。

公正取引委員会

公正取引委員会は、独占禁止法を運用するために設置された機関で、独占禁止法の補完法である取適法や、フリーランス・事業者間取引適正化等法、スマホソフトウェア競争促進法の運用も行っています。

公正取引委員会のホームページから引用

分かりやすく言うと、市場での「公平な競争」が行われるように見張る政府の機関です。独占禁止法という法律に基づいて動いています。

独占禁止法

独占禁止法の正式名称は,「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」です。この独占禁止法の目的は,公正かつ自由な競争を促進し,事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすることです。

公正取引委員会のホームページから引用

分かりやすく言うと、自由で公平な競争を守るためのルールです。この法律に基づいて公正取引委員会が監視することで消費者を守り、経済を健全にすることができます。

「カルテル」と似たような言葉に「カルテ」があるけど、「カルテ」とは何かな?

「カルテル」と「カルテ」の違い

カルテ(かるて、medical record)とは、患者を診察する際、症状や行った処置、病状の経過などを記録しておく診療録である。

看護roo!ホームページから引用

カルテには症状や検査結果、診断名、治療内容、今までの経過などが書かれています。カルテは医師法という法律で5年間の保管が義務付けられています。また、病院へ申請すればカルテを見ることもできます。

似ている言葉だけれど、「カルテル」は不正行為で「カルテ」は医療用語なんだね。

カルテル以外にも独占禁止法で禁止されている不正行為があるよ。

カルテル以外の不正行為

私的独占

企業が単独で、または他の企業と手を組み、競争相手を市場から締め出したり、新規参入者を妨害して市場を独占しようとする行為

公正取引委員会のホームページから引用

企業同士が競争することで価格やサービスの改善につながります。ところが、競争相手を締め出したり新規参入者を妨害して市場を独占することで自社だけが有利になるように市場をコントロールします。

すると、価格の上昇や品質の改善が見られなくなるため消費者に不利益が生じます。そのため、独占禁止法で禁止されています。

カルテルは複数の企業が協力して競争をなくしますが、私的独占は1社または少数が市場を支配します。

画像はChatGPTで作成

入札談合

国や地方公共団体などの公共工事や物品の公共調達に関する入札の際、入札に参加する企業同士が事前に相談して、受注する企業や金額などを決めて、競争をやめてしまうこと

公正取引委員会のホームページから引用

入札は一番安く・良い条件を出した会社が選ばれる仕組みです。しかし、企業同士があらかじめ「誰が落札するか」「いくらで落とすか」を裏で決めてしまうと本来より高い金額で契約される可能性があり、税金の無駄遣いにつながる恐れもあります。

具体例をみていきましょう。

例えば道路工事の入札で…

  1. A社・B社・C社が参加
  2. 裏で話し合い「今回はA社が落札しよう」と決める
  3. B社・C社はわざと高い金額を提示
  4. A社が確実に落札

このときにA社の金額が正式に入札が行われた場合よりも高くなる可能性があるということです。

画像はChatGPTで作成

共同の取引拒絶

競争関係にある企業が共同で特定の企業との取引を拒んだり、第三者に特定の企業との取引を断わらせたりする行為

公正取引委員会のホームページから引用

複数の企業がグルになって、特定の会社と取引しないようにすることです。複数の企業が協力して特定の企業を追い出すと新しい会社はいなくなり、市場に残るのは既存の企業だけになります。

すると、競争力がなくなり価格が下がらなくなります

画像はChatGPTで作成

再販売価格の拘束

メーカーが指定した価格で販売しない小売業者等に対して、卸価格を高くしたり、出荷を停止したりして、小売業者等に指定した価格を守らせること

公正取引委員会のホームページから引用

メーカーが小売店に「この価格で売りなさい」と強制することです。

本来であれば、小売店は自由に安くして売ることやセールで販売することができるはずですが、それができなくなります。そのため、小売店同士で値下げができなくなり、消費者は安く買えなくなります

ただし、再販売価格の拘束については例外があります。書籍・雑誌・新聞など文化保護の観点から価格を固定することが認められている場合があります。

画像はChatGPTで作成

書籍・雑誌・新聞などは例外になっているところが他の不正行為とは違うところだよ。

優越的地位の濫用

取引上優越した地位にある企業が、取引先に対して不当に不利益を与える行為

公正取引委員会のホームページから引用

取引で立場が強い企業が、その力を使って相手に無理な要求を押しつけることです。「立場が強い企業」とは市場シェアの大きさだけではありません。「取引を断られると困る」「代わりの取引先がない」「長年依存している」というような関係も、実質的に逆らえない立場=優越的地位となります。

立場の強い企業から無理な要求(値下げ・負担の押し付けなど)を受けると、取引先は原材料を安くする、人件費を削る、手間を減らすなどの負担が強いられます。そのことが品質やサービスが低下につながる可能性があります。

画像はChatGPTで作成

競争制限的な企業結合

2つ以上の企業が株式保有や合併などによって一緒になることを「企業結合」といいます。市場を二分していたA社とB社が、合併すると、新会社のAB社が市場を独占することとなり、競争がなくなります。 市場にはAB社の商品しかないため、消費者は仕方なくその商品を買うことになります。それでは消費者のメリットが失われることになりますので、このような競争制限的な合併は禁止されています。 

公正取引委員会のホームページから引用

企業結合が行われても市場での競争が行われる状況であれば違反にはなりません

合併した企業が市場のほとんどを占めてしまい、市場の価格競争がなくなることで価格が下がらなくなる可能性があります

画像はChatGPTで作成

独占禁止法で禁止されている不正行為の消費者への影響

ここまで説明してきた行為が法律で禁止されているのは消費者へ不利益が生じるからです。独占禁止法で禁止されている不正行為はどのような影響が消費者にあるのかみていきましょう。

① 価格が高くなる

  • カルテルや入札談合 → 価格をつり上げ
  • 競争がない → 値下げが起きない

本来より高い価格で買わされる可能性があります。


② 品質・サービスが低下する

競争がなくなると企業は

  • 改善しなくても売れる
  • コスト削減を優先する

そのため品質やサービスが低下する可能性があります。


③ 選択肢が減る

  • 共同の取引拒絶 → 企業が排除される
  • 優越的地位の濫用 → 中小企業が撤退

買える商品やサービスが少なくなる可能性があります。


④ 新しい商品・技術が生まれにくい

競争が弱いと

  • 研究開発の意欲が下がる
  • 新規参入が減る

イノベーションが停滞し、新しい商品・技術が生まれにくくなります。

価格競争があるからこそ消費者は品質の高いものやサービスを適正な価格で受けとることができるよ。

まとめ

今回のアイスのニュースで登場した「カルテル」は複数の企業が連絡を取り合い、商品の価格や生産数量などを共同で取り決めてしまうことでした。

カルテル以外にも独占禁止法で禁止されている行為には私的独占、入札談合、共同の取引拒絶、再販売価格の拘束、優越的地位の濫用、競争制限的な企業結合がありました。

独占禁止法で禁止されている行為が行われることによって消費者には価格が高くなる、品質・サービスの低下、選択肢の減少、新しい商品や技術が生まれにくくなるというデメリットがありました。

※ロッテは、6/18価格改定の中止を発表しています
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