「トリック・オア・トリート(Trick or treat)」ってどういう意味?ハロウィンの合言葉の由来と歴史

「トリック・オア・トリート(Trick or treat)」ってどういう意味?ハロウィンの合言葉の由来と歴史 トレンド

ハロウィンの夜、仮装した子どもたちがお菓子を求めて家々を訪ねるときに使う合言葉「Trick or treat(トリック・オア・トリート)」。

日本語では「お菓子をくれなきゃいたずらするぞ!」と訳されることが多い言葉です。

でも、この合言葉はいつ、どこで生まれたのでしょうか?

実は、現在おなじみの「Trick or treat」という言い回しが記録されたのは、アメリカではなくカナダでした。さらに、お菓子をもらう習慣には、ヨーロッパで行われていた古い風習とのつながりも考えられています。

今回は、「Trick」と「treat」の意味から、合言葉の歴史、現代のハロウィンへとつながる習慣までを紹介します。

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「Trick or treat」はどんな意味?

まずは、それぞれの英単語の意味を見てみましょう。

「Trick」には「いたずら」「策略」などの意味があります。一方、「treat」は名詞として使うと「ごちそう」「楽しみ」「特別な贈り物」などを意味します。

画像はChatGPTで生成

ハロウィンでは、お菓子などのうれしい贈り物を「treat」と呼んでいるのです。

つまり、「Trick or treat」は、直訳すれば「いたずらか、ごちそうか?」といった意味になります。

日本では「お菓子をくれなきゃいたずらするぞ!」という訳が定着していますが、英語の表現そのものは、相手に「いたずらか、ごちそうか?」と選択を迫るような形になっています。

もちろん、現代のハロウィンでは、本当に相手を困らせるための脅しというより、お菓子をもらうための遊びの決まり文句として使われています。

では、なぜ「いたずら」と「お菓子」がセットになったのでしょうか?

「Trick or treat」はいつ、どこで生まれた?

現在の「Trick or treat」という言い回しについて、よく知られている古い記録のひとつは、こちらの記事によると、1927年11月3日付のカナダ・アルバータ州の新聞 Calgary Daily Herald に掲載された記事を根拠として挙げています。

ただし、類似表現を含めると1917年の新聞にも記録があり、これが最初の使用例というわけではないため、あくまで「仮説」として紹介します。

アルバータ州のブラックイーという町で行われたハロウィンの様子を伝える記事には、仮装した子どもたちが家々を訪ね、「trick or treat」と言って食べ物を求めたことが記されています。

当時のハロウィンは、現在のようにお菓子をもらうだけの行事ではありませんでした。子どもや若者たちがいたずらをすることもあり、記事には、荷車の車輪や門、樽などが移動させられた様子も書かれています。

つまり、当時の「Trick or treat」は、いたずらをする側と、それを避けるために食べ物を渡す側とのやり取りに近いものだったのです。

なお、1927年は、この言葉が初めて記録された年としてよく紹介されますが、言葉そのものがその年に生まれたと断定できるわけではありません。実際には、それ以前から似た表現や習慣が存在していました。

ブリティッシュコロンビア大学の英語史辞典「DCHP-3」では、カナダの新聞に掲載された1917年の「tricks or treats」などの表現も紹介されています。

つまり、現在おなじみの語順が記録されたのは1927年ですが、それ以前、1917年から似た言い回しが使われていたのです。言葉そのものが1927年に生まれたと断定することはできません。

お菓子をもらう習慣のルーツは中世ヨーロッパ?

「Trick or treat」という言葉の記録は20世紀のものですが、仮装して家々を訪ね、食べ物などをもらう習慣には、もっと古いヨーロッパの風習が関係していると考えられています。

そのひとつが、イギリスなどで行われていた「ソウリング(souling)」です。

キリスト教圏では、万聖節(11月1日)や万霊節(11月2日)に関連して、貧しい人々が家々を訪ね、亡くなった人々のために祈る代わりに食べ物を受け取る習慣がありました。

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その際に渡されたもののひとつが、「ソウルケーキ(soul cake)」と呼ばれる菓子です。こうした風習は、現在のハロウィンでお菓子をもらう習慣の前身のひとつとされています。

また、スコットランドやアイルランドには「ガイジング(guising)」と呼ばれる風習もありました。仮装した人々が家々を訪れ、歌や詩、ちょっとした芸などを披露して、食べ物やお金を受け取るものです。

こうした風習は、現在のトリック・オア・トリートと似た特徴を持っています。

ただし、これらの習慣がそのまま現在の形になったと証明されているわけではありません。古いヨーロッパの風習や、北米で行われていたさまざまな行事が、時代とともに影響し合って現在の習慣につながったと考えるのが適切でしょう。

なぜ「いたずら」までセットになったの?

ハロウィンといえば、仮装やお菓子だけでなく、いたずらもよく知られています。

19世紀から20世紀初めの北米では、ハロウィンの夜に若者たちが窓に石けんで落書きをしたり、物を動かしたりするいたずらが行われていました。地域によっては、いたずらが深刻な迷惑行為に発展することもありました。

こうした状況のなかで、ハロウィンを地域の人々が楽しめる行事にしようとする動きも生まれます。

家々を訪ねて食べ物をもらう習慣と、ハロウィンのいたずら文化が結びつけば、「お菓子をくれなければ、いたずらするぞ」というやり取りが生まれるのも不思議ではありません。

ただし、「いたずらを防ぐためにお菓子を渡したことが、この言葉の唯一の起源だった」と断定できるわけではありません。現在の決まり文句が定着した背景には、複数の習慣や文化が関係していると考えられています。

戦後アメリカで広まり、現在のハロウィンの定番に

現在のように、子どもたちが仮装して家々を訪れ、お菓子をもらうトリック・オア・トリートがアメリカで広く普及したのは、第二次世界大戦後のことです。

戦時中の砂糖の配給制限などが終わり、お菓子が手に入りやすくなったことや、子どもたちが家々を訪ねやすい郊外の住宅地が広がったことなどが、普及を後押ししたとされています。

1950年代には、漫画やアニメなどにもハロウィンのお菓子集めが登場するようになり、子ども向けの行事としてのイメージが定着していきました。

かつてはリンゴや木の実、手作りのお菓子なども渡されていましたが、やがて市販のキャンディーなどが定番になっていきます。

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現代では、家庭を一軒ずつ訪ねる伝統的な方法だけでなく、商業施設や地域のイベントでお菓子を配る催しも行われています。安全面や地域の事情に合わせて、さまざまな形で楽しまれているのです。

まとめ

「Trick or treat」は、直訳すると「いたずらか、ごちそうか?」という意味を持つ、ハロウィンの合言葉です。

現在の形の古い記録は1927年のカナダの新聞に見られますが、お菓子をもらう習慣には、中世ヨーロッパのソウリングやガイジングなど、より古い風習とのつながりが考えられています。

また、ハロウィンの夜に行われていたいたずらも、現在の決まり文句が定着した背景のひとつと考えられます。

今では、お菓子をもらうための楽しい合言葉として親しまれている「Trick or treat」。その短い言葉には、ヨーロッパの古い風習や北米の文化、そして時代とともに変化してきたハロウィンの歴史が詰まっているのです。

参考文献

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ハロウィンおなじみの「ジャック・オー・ランタン」の歴史についてはこちらで解説しています。ぜひ読んでみてくださいね。

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