皆さん、こんにちは。今日のお話は生成AIと「声の権利」における問題を解決する第一歩になるかもしれません。
声優・俳優の津田健次郎さんが、自身の声を生成AIで無断模倣した動画が投稿されているとして、TikTokの運営会社に削除を求めた裁判。2026年9月30日、東京地裁は津田さん側の請求を棄却しました。
その一方で、裁判所は声も「パブリシティ権」で保護され得るという考え方を示しています。
削除請求が退けられた理由は何だったのか。そして、「声の権利」について何が示されたのか。判決文と報道をもとに、順番に整理します。
※本記事は2026年10月2日時点の情報です。当事者の主張と裁判所の判断を区別して紹介しています。
※本記事はこちらのニュースを参考に作成されています。
津田健次郎さんのAI音声裁判とは?何が起きたのか
今回の裁判は、TikTokの動画に使われたナレーションが津田さんの声に似ていることをめぐるものです。
問題のアカウントには、2024年7月から2025年9月にかけて、都市伝説や心霊現象などの雑学を扱う動画が188本投稿されていました。
津田さん側は、声を無断で模倣した動画が権利を侵害しているとして、不正競争防止法やパブリシティ権に基づき、運営会社に削除を求めました。
一方、TikTok側は、音声は一般的な男性の声であり、津田さんの声と混同されるものではないと反論。投稿者が外部サイトで、声真似が得意な友人の声をAIに学習させたと説明していることも挙げました。
ただし、この説明は投稿者側が示したものです。実際に誰の声を学習に使ったのかについて、今回の判決は結論を示していません。

この行為自体は、違法にならないなも?

日本では声質そのものは著作権法の保護対象ではなくて、AIで似せた声の無断利用をどう扱うか、議論が続いてきたなも。
こうした無断利用の問題に対して、2024年10月には声優有志による「NOMORE無断生成AI」の啓発活動が始まったなも。声優さんたちが自分たちの思いを伝えながら、技術の使い方について議論とルールづくりを呼びかけているなも。
投稿者ではなく、TikTokの運営会社に削除を求めた経緯
弁護士ドットコムの取材によると、津田さん側は2025年6月、投稿者を特定するために発信者情報開示を申し立てました。
8月に開示命令が出ましたが、開示された情報に関する通信ログの保存期間が過ぎており、投稿者の特定には至らなかったといいます。
その後、9月に裁判外で動画の削除を求めたものの、TikTok側が応じなかったため、11月に提訴しました。
なぜ動画の削除請求は棄却された?
削除請求が棄却された理由は、対象となった動画のデータが、すでに削除されていたためです。
裁判所が認定した経緯は、次のとおりです。

裁判所は、仮にTikTok側に削除義務が生じ得るとしても、対象のデータがすでに削除されている以上、さらに削除する義務はないと判断しました。

裁判中に、動画とそれを投稿してたアカウントが削除されていたなもね!

今回津田さんが求めていたのは、問題の動画を削除することだったなも。でも、裁判中にアカウントも動画のデータも削除されていたため、裁判所はTikTok側にさらに削除する義務はないとして、削除請求を棄却したなも。
声も一定の条件でパブリシティ権の保護対象になるという考え方は示されたなも!
また、今回の動画が実際に権利侵害に当たるかまでは判断されていないなも。
津田さん側の代理人は、削除の目的は達成したと説明
判決後、代理人の平野敬弁護士は、アカウントと動画がすべて削除されたことで、当初の目的は達成したと説明しました。
また、津田さん側は控訴しない方針。さらに今回の訴訟では、当初から損害賠償を請求していませんでした。
「声の権利」って何?パブリシティ権を簡単に解説
パブリシティ権とは、著名人の名前や肖像などが持つ「人を引き付け、商品販売などにつながる力」を、本人が独占的に利用できる権利です。この力は「顧客吸引力」と呼ばれます。

こ、顧客吸引力…?何だか難しい言い方なも…。

簡単に言えば「顧客吸引力」は「その人だから、お客さんが引き付けられる力」のことなも!
例えば、「好きな声優さんの声だから、この作品が気になる!」「この人が広告に出ているなら買いたい!」と思わせる力のことなも。その人の名前や姿、声が、商品やサービスに興味を持つきっかけになる事を指すなも。
今回、東京地裁は、声についても個人の人格を表すものと位置付けました。そのうえで、声を無断使用する行為について、次の両方の条件に当たる場合にはパブリシティ権侵害になると示しています。
- その声に、商品の販売などを促す顧客吸引力があること
- 声の使用が、専らその顧客吸引力の利用を目的としていること
声もパブリシティ権で保護される対象になり得ると、裁判所が示した点が今回の判決のポイントです。

ちょっと補足:声以外も?生成AIをめぐる著作権問題や偽情報の事例
津田さんの裁判以外にも、本人の姿や声を装った偽動画や、作品の無断利用をめぐる訴訟が起きています。ここでは、実際に報道された2つの事例を紹介します。
岸田首相の声を加工し、ニュース番組に見せかけた偽動画
2023年11月、当時の岸田文雄首相の声を加工し、本人が卑わいな言葉を話しているように見せかけた偽動画の拡散が報じられました。報道記事はこちらから
動画には「日テレNEWS24」の番組ロゴなども表示され、本物のニュース番組のような画面になっていました。日本テレビは、放送や番組ロゴが悪用されたことに抗議しています。
日テレNEWS NNNは、生成AIの技術を悪用したものとみられると報道。本人の声に似せるだけでなく、報道番組の見た目まで利用した事例です。

津田さんの時は声だけだったけど、こっちは映像まであるなも!?喋ってるときに口元が変な感じするけど、声は結構似てるなもね…。
ディズニー・ユニバーサル側がMidjourneyを著作権侵害で提訴
画像生成AIについても、著作権をめぐる訴訟が起きています。
2025年6月11日、ディズニー・ユニバーサル系の企業は、画像生成AIサービスを提供するMidjourneyを、著作権侵害を理由に米国の連邦地裁へ提訴しました。
報道記事はこちらから
原告側は、自社の作品が無許可でAIの学習に使用され、ダース・ベイダーやミニオンズなどを含む画像を生成・配布できることが、著作権侵害に当たると主張しています。


「Midjourney(ミッドジャーニー)」は、作りたい画像のイメージを文章で伝えると、AIが画像を生成してくれるサービスなも!基本的に有料で、イラストや写真のような画像などを作れるなも。
なお、2026年10月2日時点で訴訟は継続中。Midjourneyの著作権侵害を認定する最終判決は、まだ出ていないなも。

まとめ:削除請求は棄却。それでも「声の権利」に関する判断が示された
今回の裁判では、対象の動画データがすでに削除されていたため、津田健次郎さん側の削除請求は棄却されました。
一方東京地裁は、声も一定の条件を満たせば、パブリシティ権で保護され得るという考え方を示しています。ただし、今回の動画が実際に権利侵害に当たるかについては判断していません。
生成AIをめぐっては、本人が話しているように見せかけた偽動画や、作品の無断利用を主張する訴訟も起きています。「AIで作れること」と「自由に使ってよいこと」は別。
画像や音声を生成・公開するときには、本人の許可や他者の権利にも目を向けることが大切です。
今回の判決をきっかけに、声の無断利用をどう扱うのか、今後の議論にも注目していきたいですね。
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ここまで記事を読んでくれてありがとうなも!

下記記事では2026年8月7日、法務省が生成AIなどによる肖像や声の無断利用について、解釈指針を公表!シンナモたちが、なるべく分かりやすく解説したなも!本記事と合わせてチェックしてほしいなも!



