最近、ニコニコ動画やSNSを見ていると、妙な文字列を目にすることがあります。
「スピキ」「チョワヨ!」「エーウ!」
……いったい何の話なのでしょうか。
実はこれら、スマートフォン向けゲーム『トリッカル・もちもちほっぺ大作戦』から生まれたネットミームです。
しかも、ただゲームのファンの間で流行っているだけではありません。MAD動画が次々と作られ、ニコニコ動画にも多数の関連動画が投稿。2026年にはニコニコ生放送で特番まで組まれ、ニコニコ代表のくりたしげたか氏も出演しています。
2026年10月には日本サービス開始から1周年を迎える『トリッカル』。
今回は、今さら聞きづらい「スピキ」「チョワヨ!」の正体から、そもそも『トリッカル』とは何なのか、そしてどのようにネットで広がっていったのかまで、ざっくり調べてみました。
そもそも「トリッカル」ってどんなゲーム?
ここまで読んで「で、トリッカルって何のゲームなの?」と思った人もいるでしょう。

『トリッカル・もちもちほっぺ大作戦』は、韓国のゲーム会社EPID Gamesが開発し、bilibiliが運営するスマートフォン向けのゲームです。
日本では2025年10月9日にサービスが始まりました。キャラクターたちの「もちもちほっぺ」が大きな特徴で、オートバトルを中心としたゲームシステムに加え、キャラクターのほっぺを引っ張るなどのインタラクションも楽しめます。

もともとは韓国で2023年にサービスが始まっていたゲームで、日本版を含むグローバル版が2025年10月にスタートした形です。
では、なぜ日本でここまで知られるようになったのでしょうか。
大きなきっかけとなったのが、やはり「スピキ」です。
2025年11月ごろ、ゲームに登場するキャラクター「スピッキー」の韓国語版ボイスを使ったMAD動画が日本でも広まり始めました。
そして面白いのが、その後の公式の対応です。
「そんなにスピキが好きなら……」
と言わんばかりに、公式がミームをどんどん拾っていきました。
「スピキ」をゲーム内に登場させたり、公式側でもMAD的な動画を制作したり、さらには「スピキ」を題材にしたグッズまで展開。
2026年2月には、ミームのきっかけとなったTrikat氏やスピッキーの韓国語版声優・パク・シユン氏を招いた「トリッカル アワード」まで開催されています。しかも、スピッキーの声優には純金コインを使った賞牌が贈られました。
開発側も「ユーザーの間で新しいミームが生まれたら、できるだけ素早く反応する」ことを心がけていると話しています。
じゃあ「スピキ」はゲームのどこから来たの?
ここで、最初に出てきたミームがゲームのどこから生まれたのかを簡単に見てみましょう。
「スピキ」「チョワヨ!」
元になったのは、キャラクターのスピッキー。
スピッキーはゲーム内のストーリーに登場するキャラクターで、その韓国語版ボイスがMADの素材として注目されました。
特に「좋아요(チョアヨ)」の独特な聞こえ方から「チョワヨ」という表記が定着。
そこから、泣き顔のスピッキーの画像と特徴的な声を組み合わせた動画が大量に作られるようになりました。
実は「スピッキー」と「スピキ」は違う
ここで一つ注意したいのが、「スピキ=スピッキーそのもの」ではないこと。
ゲーム『トリッカル』に登場する正式なキャラクターは「スピッキー」です。
一方、ネットで「スピキ」と呼ばれているのは、スピッキーの韓国語版ボイスと、二次創作で定着した四つんばいの泣き顔などをもとに生まれた、ミームとしての派生キャラクター。
ゲーム本編のスピッキーは「アイデンティティ」の幽霊で、モノマネを趣味としており、作中では司祭長ネルの格好をまねています。
ところがネット上のスピキは、四つんばいになって泣きながら「チョワヨー!」などと叫ぶ、ちょっと様子のおかしい存在として定着しました。
そのため、ネットミームとしての「スピキ」は、「スピッキーの韓国語ボイスを使ったMADから生まれた、別キャラクターのようなもの」と考えると分かりやすいでしょう。
実際、公式側も「スピキ」を単なる愛称ではなく、ミームとして独立した存在として扱うようになっています。2026年5月には、公式関連商品の紹介で「スピッキーから派生したキャラクターの『スピキ』」と説明されています。
日本語版……
そしてスピッキーの日本語版声優小坂井祐莉絵さんまで便乗。「スピキ」「チョワヨ」「エーウ!」の素材をニコニコに投稿します。公式声優だし異様に上手だけどオリジナルとはなんか違うその様子は「国産のキムチみたい……」の謎の感想とともに注目されました。
ちなみに最後は「スピキヲイジメヌンデ…!」(스피키 열심히 했는데⋯!)で「スピッキーは頑張ったのに…!」的な意味。韓国語をそのままカタカナにすると「スピキ ヨルシミ ヘンヌンデ…!」ですが、日本語ではそんなふうに聞こえるとしてネタになっています。
「オリシナルクリアっアイル」
こちらはゲームのストーリーではなく、公式Xでの誤字が発端。
「オリジナルクリアファイル」が「オリシナルクリアっアイル」になってしまったところから話題になり、公式もそのノリを取り入れるようになりました。
開発チームによると、この誤字は最終的にグッズ化の話にまで発展したそうです。
そして、くりたしげたか氏までハマる
ここでニコニコユーザーなら無視できない人物が登場します。
ニコニコ代表のくりたしげたか氏です。
2026年3月、『トリッカル』を遊ぶ特別番組「ぷにぷに!探検隊」がニコニコ生放送で配信され、くりた氏が出演。
この第1回は総来場者数約2万2,000人、コメント投稿数2万件以上を記録しました。
その後も6月に第2回、9月には1周年記念となる第3回が放送されています。
9月の第3回では、くりた氏とスピッキー日本語版声優・小坂井祐莉絵さんが出演。
そして2026年10月には、日本サービス開始から1周年。
「ゲームを知らないけれどスピキは知っている」という人がいても、今ではそれほど不思議ではない状況になっています。
まとめ
「スピキ」「チョワヨ!」とは何なのか。
答えを一言で言えば、「トリッカル・もちもちほっぺ大作戦」から生まれたネットミームです。
ただし、その広まり方は少し変わっています。
ゲームがリリースされる
↓
キャラクター「スピッキー」の声が注目される
↓
ファンがMAD動画を作る
↓
「スピキ」「チョワヨ!」がネットミーム化
↓
ニコニコなどで大量のMADが作られる
↓
公式もミームを積極的に取り込む
↓
ニコニコ公式番組まで作られる
という流れです。
そして現在では、「スピキ」だけでなく、「オリシナルクリアっアイル」など、ゲームの外側で起きた出来事までネタとして楽しまれています。
かわいらしい「もちもちほっぺ」のゲームから、なぜか「スピキ」「チョワヨ!」という謎のミームが生まれ、MAD文化を通して広がっていった「トリッカル」。
ゲームをプレイしていなくても、ニコニコなどで「スピキ」を見かける機会は増えたのではないでしょうか。
……ところで、ここまで読んで「スピキって結局どんなキャラなの?」と思った方。
それは実際のゲームを見てみると、さらによく分かります。
たぶん。
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執筆現在、ニコニコ大百科の週間HOTワードランキングでは「スピキ」は6位に踏みとどまっています。もう10月だというのにさすがの人気ですね。9位の「助けて!失神する 黙れ!レズビアンのおじいさん」も調べてみたことがあるのでぜひ見てみてください。



