ハロウィンに魔女の仮装をするのはなぜ?みんなが想像する「魔女」の由来は?

ハロウィンに魔女の仮装をするのはなぜ?みんなが想像する「魔女」の由来は? トレンド

ハロウィンの仮装といえば、黒いとんがり帽子に黒いローブ、ほうきに乗って空を飛ぶ魔女を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

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そのほかにも、黒猫を連れていたり、大きな鍋で怪しげな薬を煮込んでいたり……。物語や映画でもおなじみの姿ですよね。

でも、そもそも魔女はなぜ、あのような格好をしているのでしょうか?

実は、私たちが思い浮かべる魔女の姿は、昔から変わらなかったわけではありません。魔女に対する恐ろしいイメージに加え、絵画や文学、映画など、さまざまな要素が重なって、現在おなじみの姿が形づくられてきました。

今回は、ハロウィンの定番キャラクターである魔女のイメージが、どのように生まれたのかを探ってみましょう。

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魔女は本当に恐ろしい存在だった?

ヨーロッパでは、古くから魔法や超自然的な力をめぐるさまざまな信仰がありました。

そのなかで、中世後期から近世にかけて、魔女は悪魔と結びついた恐ろしい存在として語られるようになります。

当時のヨーロッパでは、病気や不作などの不幸を、魔女の仕業だと考える人々がいました。魔女だと疑われた人が告発され、裁判にかけられることもあったのです。

特に魔女裁判が広がったのは、15世紀から18世紀ごろにかけての時代です。地域によって事情は異なりますが、多くの人々が魔女として告発され、そのなかには処刑された人々もいました。

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ここで注意したいのは、魔女として告発された人々が、私たちの想像する魔女の格好をしていたわけではないということです。

黒い帽子をかぶり、ほうきに乗って空を飛ぶ女性が実際にいたわけではありません。魔女裁判では、魔法で人に害を与えた、悪魔と契約したといった疑いが問題にされました。告発の背景には、病気や不作への不安、近隣住民との対立など、さまざまな事情がありました。

では、恐ろしい魔女のイメージは、どのようにして広まったのでしょうか。

絵画や本が魔女のイメージを広めた

魔女のイメージが形づくられるうえで、大きな役割を果たしたもののひとつが、絵画や印刷物です。

15世紀末から16世紀にかけて、ヨーロッパでは魔女を題材にした書物や版画が作られました。そこには、魔女が悪魔と関わったり、不思議な力を使ったりする姿が描かれています。

ドイツの画家アルブレヒト・デューラーによる作品にも、魔女を題材にした版画があります。1500年前後に制作された《山羊に乗る魔女》では、魔女が山羊に乗る姿が描かれました。

こうした作品は、魔女に対する当時の考え方を反映するとともに、魔女がどのような存在なのかを人々に伝える役割も果たしました。

印刷技術が広がると、絵や文章を通じて魔女の姿が繰り返し紹介されるようになります。作品によって描き方や意図は異なりますが、こうした表現が人々の魔女に対するイメージを形づくる一因になりました。

ただし、この時代の魔女の姿が、現代のハロウィンで見かける魔女と完全に同じだったわけではありません。黒いとんがり帽子やほうきなど、現在おなじみの特徴には、それぞれ異なる歴史があります。

黒いとんがり帽子はどこから来た?

魔女の仮装で、まず目を引くのが黒くて先の尖った帽子です。

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しかし、この帽子の起源については、はっきりとした結論が出ていません。

ひとつの説では、17世紀ごろのヨーロッパで着用されていた、つばの広い黒い帽子との関係が指摘されています。当時は、現在の魔女を連想させるような形の帽子が、日常の服装として使われることもありました。

また、中世ヨーロッパでユダヤ人に着用を強制された尖った帽子や、宗教的な集団の服装などを起源とする説もあります。

ただし、これらの説のどれかひとつが、魔女の帽子の直接の起源だと確定しているわけではありません。

さまざまな時代の服装や偏見、絵画などの表現が重なり、現在の魔女の帽子のイメージにつながった可能性があります。

ほうきに乗る魔女、鍋で薬を煮る魔女

魔女のもうひとつの特徴といえば、ほうきに乗って空を飛ぶ姿でしょう。

魔女とほうきの結びつきは、少なくとも15世紀のヨーロッパの記録や図像にさかのぼることができます。当時の写本や書物には、ほうきなどに乗って空を飛ぶ魔女の姿が描かれていました。

当時の人々は、魔女が超自然的な力を使って空を飛ぶと信じることがありました。その想像が絵や文章に表現され、ほうきに乗る魔女のイメージが広がっていったのです。

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一方、大きな鍋で薬を煮込む魔女の姿には、文学の影響も見られます。

有名なのが、イギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピアによる戯曲『マクベス』です。1606年ごろに上演されたとされるこの作品には、魔女たちが大釜を囲み、不気味な言葉を唱える場面が登場します。

この印象的な場面は、後世の演劇や文学、映画などで繰り返し取り上げられ、魔女と大釜の組み合わせを印象づける一因になりました。

ほうきも大釜も、最初から魔女だけが使う道具だったわけではありません。人々の想像や芸術作品を通じて、魔女を象徴するアイテムになっていったのです。

映画やハロウィンが現在の魔女像を広めた

こうして長い時間をかけて形づくられてきた魔女のイメージは、近代以降の娯楽文化によって、さらに広く知られるようになります。

その代表例が、1939年公開の映画『オズの魔法使』です。

この作品に登場する西の悪い魔女は、黒い服や尖った帽子、ほうきなど、現代の魔女を連想させる特徴を備えています。緑色の肌も印象的で、映画やテレビを通じて多くの人々に知られるキャラクターとなりました。

もちろん、緑色の肌がすべての魔女に共通する特徴というわけではありません。作品ごとに魔女の姿は異なりますが、こうした映像作品が、私たちの魔女に対するイメージに影響を与えてきたことは確かです。

また、20世紀初頭には、アメリカなどでハロウィンの仮装文化が広がっていきました。魔女は、幽霊や悪魔などと並ぶ定番の仮装のひとつになり、黒い服や帽子、ほうきといった特徴が、ハロウィンの装いとして親しまれるようになったのです。

現在では、恐ろしい魔女だけでなく、かわいらしい魔女や、魔法を使って人々を助ける魔女も、物語やアニメなどに登場します。

魔女のイメージは、時代とともに少しずつ変化してきたのですね。

まとめ:おなじみの魔女の姿は長い歴史から生まれた

ハロウィンで見かける、黒いとんがり帽子にほうきを持った魔女。

その姿は、歴史上の魔女に対する恐ろしいイメージや、絵画、文学、映画、そしてハロウィンの仮装文化など、さまざまな要素が重なって生まれたものです。

帽子やほうきの起源については、現在も諸説あり、すべてが明らかになっているわけではありません。それでも、魔女の姿が長い時間をかけて形づくられてきたことはわかります。

今年のハロウィンに魔女の仮装を見かけたら、その帽子やほうきにも、意外と長い歴史があることを思い出してみてはいかがでしょうか。

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参考文献

英国国立公文書館「Early modern witch trials: Accusation and trial」

National Geographic「How broomsticks, cauldrons, and pointy hats became essential witch gear」

History 「Why Do Witches Wear Pointy Hats? The History Behind the Costume」

Reading Public Museum 「Halloween History in The Collection」

History 「Why Do Witches Ride Brooms? The History Behind the Legend」

米国議会図書館「Halloween: Topics in Chronicling America」

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魔女と同じくハロウィンの仮装でおなじみのドラキュラについては、こちらの記事で解説しています。

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