近年、日本を訪れる外国人観光客が急増しています。観光地や飲食店だけでなく、コンビニや自動販売機など、日常的な場所でも海外からの旅行者を見かけることが珍しくなくなりました。
そんな中、SNSでたびたび話題になるのが「日本の5円玉」です。
「この硬貨、いくらなの?」
「なぜ数字が書かれていないの?」
「他の硬貨は読めるのに、これだけ分からない!」
日本人にとっては見慣れた5円玉ですが、外国人から見るとかなり特殊な存在に映るようです。実際、「財布の中で唯一価値が分からない硬貨だった」という体験談も少なくありません。
今回は、そんな5円玉の不思議について調べてみました。

日本の貨幣で5円玉だけアラビア数字がない
現在流通している日本の硬貨は6種類あります。
- 1円玉
- 5円玉
- 10円玉
- 50円玉
- 100円玉
- 500円玉
このうち1円、10円、50円、100円、500円には、それぞれ「1」「10」「50」「100」「500」というアラビア数字が刻まれています。
ところが5円玉だけは違います。
表面には稲穂、歯車、水がデザインされ、「五円」という漢字表記のみ。裏面には発行年が「令和○年」「平成○年」などの漢数字で記されているだけです。
つまり、現在の日本の硬貨の中で、額面を示すアラビア数字が一切書かれていないのは5円玉だけなのです。
※「アラビア数字」とはいわゆる算用数字(1、2、3、……)のこと。漢数字(一、二、三、……)やローマ数字(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ……)などと区別するときに「アラビア数字」と表現します。
日本人なら「穴が開いている硬貨=5円玉」とすぐ分かりますが、日本を初めて訪れた人にとっては話が別です。

確かによく見ると「5」って書いてないよね。
なぜ外国人観光客が困るのか
日本人は小学校で漢字を学ぶため、「五円」という表記を見れば一瞬で価値を理解できます。
しかし、日本語を知らない外国人の場合はそうはいきません。
例えば、
- 「五」が数字の5だと分からない
- 「円」が通貨単位だと分からない
- 額面を示す数字そのものが見当たらない
という状況になります。
財布の中に1円玉、10円玉、50円玉、100円玉が混ざっていれば、それらは数字を見れば判別できます。しかし5円玉だけは漢字しか書かれていないため、価値が分からなくなってしまうのです。
しかも5円玉は50円玉と同じく中央に穴が開いています。
日本人なら大きさで区別できますが、慣れていない人からすると、
「穴の開いた硬貨が2種類ある」
「どちらが高額なのか分からない」
という混乱も起こります。
キャッシュレス決済が普及した現在でも、寺社でのお賽銭や現金払いの場面は少なくありません。そのため、観光客が5円玉を手にして首をかしげる光景は意外とよく見られるのです。
海外にも数字が書かれていない硬貨はある?
では、日本の5円玉は世界的に見ても珍しいのでしょうか。
ぶっちゃけ、「数字がまったく書かれていない硬貨」はかなり少数派です。
例えばユーロ硬貨には「1」「2」「5」「10」「20」「50」などの数字が大きく表示されています。
アメリカの硬貨も「ONE CENT」「FIVE CENTS」「QUARTER DOLLAR」など額面が英語で記載されており、数字がなくても価値を判断できるようになっています。
イギリス、カナダ、オーストラリアなどの主要国でも、額面が数字またはアルファベットで明確に示されているケースがほとんどです。
もちろん世界には独自文字のみを使用している貨幣もありますが、国際的な観光客が多く利用する先進国の硬貨として考えると、5円玉はかなり個性的なデザインだと言えるでしょう。
特に「数字もアルファベットもなく、その国の文字だけで額面を示している」という点は、海外の人からすると驚きの対象になりやすいようです。

それで結局、なぜアラビア数字がないの?
ここが最も気になるポイントですね。
実は5円玉が発行されたのは1948年(昭和23年)。戦後間もない時期でした。
当時の日本では、硬貨に日本らしさや復興への願いを込めることが重視されました。
5円玉のデザインには、
- 稲穂=農業
- 歯車=工業
- 水=水産業
が描かれています。
これは日本の主要産業を表しており、「産業の発展によって国を再建する」という意味が込められていました。
また、5円玉は直径や中央の穴によって他の硬貨と容易に区別できるよう設計されています。
そのため設計段階では、わざわざアラビア数字を入れなくても識別できると判断されたと考えられています。
さらに、当時は現在ほど外国人観光客が多い時代ではありませんでした。
硬貨を使うのは主に日本人であり、「五円」という漢字だけで十分だったのです。
言い換えれば、5円玉は国際化を前提としていない時代に生まれた硬貨なのです。
現在の視点で見ると不便に感じる部分もありますが、それは設計当時の社会状況が大きく異なっていたからと言えるでしょう。

「ご縁」の硬貨として愛され続ける5円玉
5円玉にはもう一つ有名な特徴があります。
それは「五円」と「ご縁」の語呂合わせです。
神社やお寺のお賽銭として5円玉を選ぶ人は多く、「良いご縁がありますように」という願いを込めて投げ入れる習慣は広く知られています。
額面以上に縁起物としてのイメージが強い硬貨と言えるでしょう。
もしかすると、こうした特別な存在感も、長年デザイン変更が行われなかった理由の一つなのかもしれません。

私もお財布にいつも5円玉入れるようにしてるよ!お賽銭のため!
まとめ
日本の硬貨の中で、アラビア数字が書かれていないのは5円玉だけです。
日本人には当たり前の存在ですが、漢字を読めない外国人観光客にとっては価値が分かりにくく、しばしば混乱の原因になります。
しかしその背景には、戦後復興への願いを込めた歴史や、日本人向けに設計された時代事情があります。
国際化が進んだ現代では少し不便に見える5円玉ですが、その独特なデザインは日本らしさの象徴でもあるのです。
関連記事
このブログでは、普段から生活に役立つ情報などを紹介しています。他の記事もぜひ見てみてください。


