海外旅行を考えている人には朗報?
2026/7/1から、日本のパスポート発行手数料が大幅に引き下げられます。
「海外旅行は行きたいけど、パスポートを取るだけでも結構お金がかかる……」
そんな理由で取得を後回しにしていた人にとっては、かなりうれしいニュースです。
一方で、「なぜ今になって値下げするの?」「海外旅行は本当に増えるの?」「海外出張などにも影響するの?」と気になる人も多いでしょう。
今回は、パスポート手数料の値下げの内容や背景、そして私たちの海外渡航にどのような影響があるのかを分かりやすく解説します。

値下げするの!?値上げじゃなくて……!?
どのような人がいくら安くなる?
今回の制度改正では、特に18歳以上が取得する10年有効パスポートの手数料が大幅に引き下げられます。
窓口で申請した場合は16,300円から9,300円へ、オンライン申請なら15,900円から8,900円へと、それぞれ7,000円の値下げになります。また、オンライン申請は窓口申請より400円安く設定されており、デジタル手続きを利用するメリットも設けられています。
さらに18歳未満が取得する5年有効パスポートも値下げされます。窓口申請では4,800円、オンライン申請では4,400円となり、特に12~17歳は従来より大幅な負担軽減となります。
一方で制度も変わります。18歳以上については5年有効パスポートが廃止され、原則として10年有効パスポートのみとなります。つまり、大人は一度取得すれば10年間利用できる仕組みに一本化されます。

出典:外務省旅券手数料改定関連情報2026/6/10(2026/7/2閲覧)
なぜここまで大幅に値下げされたの?
物価が上がる中で、これほど大きな値下げが行われるのは珍しいことです。
背景には大きく二つの理由があります。
一つ目は、行政のデジタル化(DX)が進んだことです。
マイナンバーカードを利用したオンライン申請が全国で利用できるようになり、紙の戸籍謄本の提出が不要になるなど、窓口業務の負担や事務コストが削減されました。その分を手数料に還元できるようになったとされています。
二つ目は、日本人のパスポート保有率の低さです。
日本では17%程度で新型コロナ禍を経て海外旅行が減少したことや、円安による旅行費用の高騰もあり、日本ではパスポートを持つ人の割合が低い水準にとどまっています。
政府としては、「まずはパスポートを取得してもらい、海外へ出るきっかけを増やしたい」という狙いがあります。特に若い世代が留学や国際交流などを経験しやすくすることも、制度改正の目的の一つとされています。

コロナが流行ってた時は海外旅行なんてできなかったよね
出典:外務省旅券統計2026/4/16(2026/7/2閲覧)
海外旅行にはどんな影響がある?
今回の値下げによって、「海外旅行に行こう」と考える人は一定数増えるとみられます。
もちろん、海外旅行全体で考えると航空券やホテル代、現地での食費などを合わせれば数十万円になることも珍しくありません。そのため、パスポート代が7,000円安くなっただけで旅行費用全体が劇的に安くなるわけではありません。
しかし、初めて海外へ行く人にとっては「最初のハードル」が下がる効果は大きいでしょう。
例えば、
- 卒業旅行で韓国や台湾へ行ってみたい学生
- 子どもに海外を経験させたい家族
- 円高になったタイミングで海外旅行へ行きたいと考えている人
などは、「とりあえずパスポートだけでも取得しておこう」という心理になりやすくなります。
また、パスポートは取得してから10年間有効です。「今すぐ海外へ行く予定はないけれど、いつでも行ける状態にしておく」という選択もしやすくなるでしょう。
ただし注意点もあります。
制度開始直後は申請が集中し、通常より交付まで時間がかかる可能性があると案内されています。夏休みやお盆に海外旅行を予定している人は、早めの手続きを心掛けた方が安心です。

海外旅行以外にも影響はある?
恩恵を受けるのは、観光客だけではありません。
例えば海外出張がある会社員です。
会社によってはパスポート取得費用を補助するケースもありますが、自費で取得する場合は負担が軽くなります。また、転職や異動で急に海外勤務が決まった場合でも、以前より取得しやすくなります。
さらに研究者や大学生の海外学会、スポーツ選手の海外遠征、文化交流事業への参加などでも、渡航の準備費用を抑えられます。
家族で取得するケースでは効果がさらに大きくなります。
例えば夫婦と高校生の子どもの3人が新たに取得する場合、以前より合計で2万円以上安くなるケースもあり、旅行資金をその分ほかに回すこともできます。
一方で、2026/7/1から海外へ出国する際に課される国際観光旅客税(いわゆる出国税)は引き上げられる(1000円→3000円)ため、海外へ何度も渡航する人は、その分の負担が増える点には注意が必要です。今回の制度は、取得時の負担を軽くする代わりに、実際に海外へ行く際の負担とのバランスを取る仕組みになっています。

このご時世値下げには理由があるってことだね
まとめ
今回のパスポート手数料の値下げは、単なる「値下げキャンペーン」ではありません。
行政のデジタル化によって生まれたコスト削減分を国民へ還元するとともに、日本人の低いパスポート保有率を改善し、若い世代を中心に海外へ目を向けてもらうという政策的な狙いがあります。
海外旅行の総費用から見れば7,000円の値下げは決して大きな割合ではありません。しかし、「パスポートを取るかどうか」で迷っていた人の背中を押す効果は十分にありそうです。
旅行だけでなく、留学や海外出張、国際交流など、人生の選択肢を広げる第一歩となるのがパスポートです。
今後、海外へ行く予定が少しでもある人は、この制度改正をきっかけに取得を検討してみてもよいかもしれません。

一方海外では……
海外旅行、行きたいですよね。筆者も行きたいです。でも今、ヨーロッパは大変なことになっています。十分な暑さ対策をするようにしてくださいね。



