有名な絵本の一つである『スイミー』が、SNS上で著作権をめぐる話題になりました。
出版元の好学社は、同社が出版する『スイミー』の絵や文章を模倣し、SNSに投稿された事例を確認したとして、抗議の声明を出しています。
詳しくはこちら(Xへ移動します)
創作物を作るうえで切っても切れないものに著作権があります。
今はAIでも著作権が議論になる時代です。
ここで改めて「著作権」について確認していきましょう。
そもそも「著作権」とは何か?
「著作権」とは、「著作物」を創作した者(「著作者」)に与えられる、自分が創作した著作物を無断でコピーされたり、インターネットで利用されない権利です。他人がその著作物を利用したいといってきたときは、権利が制限されているいくつかの場合を除き、条件をつけて利用を許可したり、利用を拒否したりできます。著作物を利用したい人の立場からすると、他人が創作した著作物をコピーしたり、インターネットで利用したいときは、権利が制限されているいくつかの場合(この場合は、無償でまたは対価を支払うことにより利用できます)を除き、著作者が求める条件にしたがって許可をもらうことによりその著作物を利用することができるということです。
(「公益社団法人著作権情報センター」のホームページより引用 https://www.cric.or.jp/qa/hajime/index.html)
なんだか難しいですが、まとめると
- 著作権は、著作物を創作した人に与えられる権利
- 他人の著作物をコピーしたり、インターネットで利用したりする場合は、原則として許可が必要
- 著作者は、利用を許可する条件を決めたり、利用を拒否したりできる
著作権の侵害になる場合
イラストを描いたり音楽制作をする場合に気を付けるだけではなく、普段の生活の中でも著作権の侵害は起こりうる可能性があるのです。
著作権の侵害になる具体例は、次の3つです。
- 他人が撮った写真やイラストを、許可なく自分のブログやSNSに載せる
- 例:ネットで見つけた画像を保存して、自分の記事のアイキャッチに使う。
- 漫画・本・記事などの文章を、許可なくコピーして公開する
- 例:ニュース記事やブログ本文をそのまま自分のサイトに転載する。
- 音楽・動画・映画などを、許可なくアップロードする
- 例:市販の曲やアニメの映像を切り抜いて、YouTubeやSNSに投稿する。

自分の著作権を守るために
他の人の著作権を守ることは大切ですが、自分の著作権も守る必要があります。
著作権を守るためにできることは
- 作品に名前やクレジットを入れる(例:作者名、ペンネーム、サイト名、SNSアカウント名を入れる。)
- 公開日や制作日が分かる形で保存する(例:投稿日時、ファイルの作成日、下書き、ラフ、編集履歴を残す。)
- 利用ルールを明記する(例:「無断転載禁止」「商用利用不可」「使用する場合は事前に連絡してください」と書く。)
- 画像には透かしやロゴを入れる(例:画像の端に「©作者名」やサイト名を入れる。)
- 制作過程を残しておく(例:下書き、ラフ、プロンプト、修正前データ、編集画面のスクリーンショットを保存する。)
- 仕事で作る場合は契約内容を確認する(例:「著作権は誰に残るのか」「相手はどこまで使えるのか」「二次利用してよいのか」を事前に決める。文化庁の資料でも、著作物の利用に関する契約には、利用許諾契約と著作権譲渡契約があると整理されています。)
- 無断利用を見つけたら証拠を残す(例:相手のページURL、スクリーンショット、投稿日、アカウント名、掲載日時を記録する。)
まとめると、名前を入れる・利用ルールを書く・制作過程を残す・無断利用の証拠を保存することが、自分の著作権を守る基本です。
著作権は自動で発生しますが、トラブルになったときに説明できる材料を残しておくことが、自分の創作物を守る力になります。

AIを使用する場合はどうなっているのか
今は自分自身で作成する場合やSNSに投稿するなどの行動だけではなく、AIを利用する場合にも著作権について考える必要があります。
AIが自動で作っただけのものは、著作物と認められにくい
例えば「かわいい猫のイラストを作って」と入力しただけで、ほぼAI任せにした画像。
この場合、人の創作性が弱いため、著作権で保護されにくい可能性があります。
人が具体的に指示・修正・選択して作ったものは、著作物と認められる可能性がある
例えば、構図、表情、色、セリフ、雰囲気、配置などを細かく指定し、出力後に加筆・修正した画像。文化庁の資料でも、人に「創作意図」と「創作的寄与」がある場合、AI生成物が著作物に該当し得ると整理されています。
AIにも著作権が適応される場合があります。
なので、AIで作っても、他人の著作物に似すぎると著作権侵害になる可能性があります。
例えば既存キャラクター、漫画のコマ、イラスト、写真、ロゴなどにそっくりな画像を生成して公開する。この場合、AIを使ったかどうかではなく、既存作品との「類似性」と「依拠性」があるかで判断されます。
AIはあくまで道具です。
人がどれだけ創作に関わったかで「自分の著作物になるか」が変わり、他人の作品に似すぎていれば「著作権侵害」になる可能性があります。
注意すべきこと!
著作権を侵害しないために
- 実在キャラ・作品名・作家名に寄せすぎない
- 既存画像をそのまま読み込ませて似た画像を作らない
- 生成後に自分で構成や文章を調整する
自分の著作権を守るために
- 名前を入れる
- 利用ルールを書く
- 証拠を残す(下書き、ラフ、作成日時が分かるファイル、プロンプト、編集履歴など)
- 無断利用を見つけたら記録して対応する

まとめ
著作権は、作品を作った人の権利を守るための大切なルールです。
イラスト、文章、写真、音楽、動画などは、作った人の大切な著作物です。
そのため、他人の作品を許可なくコピーしたり、ブログやSNSに載せたりすると、著作権侵害になる可能性があります。
また、最近はAIを使って画像や文章を作る機会も増えています。
AIで作ったものでも、人がどれだけ具体的に指示し、修正し、創作に関わったかによって、著作物として認められるかが変わります。
創作を楽しむためには、次の意識が大切です。
- 他人の作品を無断で使わない
- 実在の作品やキャラクターに寄せすぎない
- 自分の作品には名前や利用ルールを入れる
- 制作過程や元データを残しておく
著作権は、創作を制限するためのものではなく、作った人の努力や表現を守るためのものです。
自分の作品を守るためにも、他人の作品を尊重するためにも、基本的なルールを知っておくことが大切です。
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こちらではMV制作についての著作権が説明されています。


