はじめに
在宅ワークは通勤時間がない分、自由な時間を確保しやすく、柔軟な働き方ができるのが魅力です。
しかしその一方で、「オンとオフの切り替えが難しい」「一日中ずっと仕事モードから抜け出せない」といった悩みも多く聞かれます。
特に障がいをお持ちの方や支援に関わる職員の方にとって、心身の切り替えは生活リズムやメンタルヘルスに深く関わってくる大切な要素です。
この記事では、「部屋」と「頭(思考・気分)」の両面から切り替えをスムーズに行うための生活習慣や実践的なヒントをご紹介します。
1. なぜ在宅ワークは「オン・オフの切り替え」が難しいのか?

1-1. 環境が変わらないことで生まれる“区切り”のなさ
在宅ワークでは、同じ空間で生活と仕事を両立させる必要があります。
通勤がないぶん、物理的な「切り替えポイント」が存在しないため、心の中にも明確な区切りがつけにくくなります。
1-2. 生活リズムの乱れと集中力の低下
朝起きてすぐパソコンに向かう、夜もだらだら作業を続けてしまうなど、メリハリがなくなると、集中力が落ちたり、疲労感だけが残ったりします。
これは習慣化によって対策が可能です。
2. 部屋を変えると気分が変わる!空間づくりの工夫

2-1. 「仕事モードの場所」を決めよう
自宅内でも「ここに座ると仕事」「あそこはくつろぐ場所」と明確に分けることで、脳は自然と切り替えを始めます。
可能であれば、机や椅子の配置を生活空間と変えるだけでも効果的です。
例:仕事用のチェアに座る → スイッチオン
リビングのソファに移動 → リラックスモードへ
2-2. 照明・音・香りを変えてリセット
照明の色温度を変える(昼間は白色光、夕方以降は暖色系)、BGMを切り替える、アロマを使うといった方法も、五感を通じて気分を切り替えるのに役立ちます。
- 集中時:カフェ風BGM(Spotify・YouTubeなど)
- リラックス時:無音、または自然音系(雨音・小川の音)
- 香り:朝はミント系、夜はラベンダーなど
2-3. ワークスペースの「片づけ」を習慣に
業務終了後に机を整えることで、「仕事終了」の合図を自分に出すことができます。パソコンを閉じる、ノートを引き出しにしまうなどの行動が、脳にスイッチオフを伝えます。
3. 頭を切り替えるためのマイルールと習慣づくり
3-1. 始業・終業の「儀式」を取り入れる
始業前にコーヒーを飲む、音楽をかける、終業時には5分間のストレッチをするなど、ルーティンを設けることで、自分の中にリズムが生まれます。
例:「朝のカフェオレ+手帳を開く」=仕事開始の合図
「退勤後はお香を炊く」=完全オフの合図
3-2. タイムスケジュールを見える化

時間をブロックして、「9:00〜12:00は仕事、12:00〜13:00は昼休憩、13:00〜15:00は作業」などと明記することで、今すべきことが明確になります。
おすすめの無料ツール:
- Google カレンダー
- Toggl Track(時間計測アプリ)
3-3. 脳をクールダウンする“中休み”を取り入れる
疲れたと感じたら、5~10分間の「強制中断タイム」を。ストレッチ、ベランダで深呼吸、お気に入りのYouTube動画1本など、軽く頭をリセットしましょう。
4. 「気持ちの切り替え」ができるアイテム・アプリ活用術
4-1. 気分転換に効くガジェットやグッズ

- ノイズキャンセリングイヤホン・ヘッドホン(ON集中)
- ブルーライトカット眼鏡(ON集中)
- ホットアイマスク(OFFリラックス)
小物を「仕事用」「オフ用」と分けて使うだけでも、気持ちのモードを切り替えるきっかけになります。
4-2. メンタル切り替えアプリを活用しよう
- Insight Timer(無料の瞑想・マインドフルネスアプリ)
- Forest(スマホ依存防止+集中サポート)
在宅ワークでは、自分で自分の心をケアするスキルがとても重要。デジタルの力も積極的に活用しましょう。
5. 自分だけの「切り替えスイッチ」を見つけよう
5-1. 人それぞれ違う切り替えポイント
在宅ワークの悩みは十人十色。
例えば、午前中は体が動きづらい人もいれば、午後に集中が切れやすい人もいます。
まずは「自分がどのタイミングで疲れるか」「どんなときに気分転換が必要か」に気づくことが大切です。
5-2. 小さな気づきを「習慣」に変えるコツ
気分の上下や集中力の波を「なんとなく」で終わらせず、メモして可視化することで、再現性のある対策に変えていけます。
まとめ
在宅ワークで求められるのは、ただ仕事をこなす力だけではありません。
自分のリズムを整え、オンとオフを上手に切り替える「生活スキル」もまた、大切な武器です。
部屋の空間、習慣の工夫、アプリや小物の活用など、できることから少しずつ取り入れるだけで、在宅ワークの毎日はぐっと快適になります。
あなたに合った“切り替え術”を見つけて、メリハリのある在宅ライフを送りましょう!