法定雇用率UPで「追い風」が来ている理由
民間企業の法定雇用率は、2024年4月に2.5%へ引き上げられ、さらに2026年7月1日から2.7%へ段階的に引き上げ予定です。【厚生労働省】雇用率引き上げについてはこちら
あわせて、雇用義務の対象企業の目安も常用労働者40人以上 → 2026年7月から37.5人以上へ広がります。
つまり、企業側は採用を増やす必要があり、障害者雇用の求人が増えやすい局面です(特に2026年に向けて「準備採用」も起きやすい)。一般就労へステップアップを考えている方は不安なこともあると思いますが紹介するコツをぜひ参考にしてみてください。

A型から一般就労へ:最初に押さえる全体像
A型から一般就労のルートは大きく2つです。
- 障害者雇用枠(オープン就労):配慮を前提に働きやすい。定着支援も使いやすい。
- 一般枠(クローズ就労含む):選択肢は広いが、配慮の出し方・体調管理の設計がより重要。
どちらにしても、ステップアップで一番大事なのは「気合」より再現性のある準備です。
A型から一般就労へステップアップする7つのコツ
1) 「働ける条件」を数字で言えるようにする
企業が一番知りたいのはここです。
- 週の就業可能時間:例)週20時間/週30時間
- 通勤:片道◯分まで、ラッシュ可否
- 休憩:何分・何回必要か
- 配慮があれば安定する条件:例)急な業務変更が苦手→手順書があると安定
数字で言える=採用側が配置を組めるので、通りやすくなります。
2) A型での経験を「職務経歴」に変換する
A型でやってきたことは、書き方次第で立派な実務経験です。
書き方テンプレ(コピペ用)
- 業務:データ入力(◯件/日)、軽作業(検品◯個/日)
- 工夫:ミス防止のチェックリスト作成、手順の見える化
- 成果:ミス率が◯%減、納期遅れゼロ◯ヶ月
- 強み:報連相、継続勤務、ルーティンの安定
「できること」だけでなく、工夫・安定の根拠まで書けると強いです。
3) 体調の波を“根性”ではなく「仕組み」で潰す
一般就労で一番困るのは、体調不良そのものより再発のパターンが読めないことです。
- 崩れる前兆(睡眠、食事、焦り、音、対人など)
- 崩れたときの復帰手順(1日休む/半日勤務/タスク軽減)
- 相談先(上司、人事、支援機関)
これを1枚にした「体調マニュアル」を作ると、面接でも定着でも効きます。
4) 合理的配慮は「お願い」ではなく「提案」にする
配慮は、抽象的だと通りにくいです。
悪い例:配慮してください
良い例:
- 指示は口頭よりチャット/紙が助かる
- 作業手順書があるとミスが減る
- 優先順位を最初に示してもらえると安定する
- 週1回5分の進捗確認があるとズレにくい
ポイントは「会社の負担が小さく、効果が大きい」順に出すこと。
5) 求人探しは「入口」を増やす(1本釣りしない)
おすすめの順番はこれです。
- ハローワーク(障害者窓口):求人の母数が大きい/制度利用もしやすい
- 障害者職業センター・就業生活支援センター等:職場定着まで見据えやすい
- 企業の障害者採用ページ:配慮や働き方が明記されていることが多い
- 専門エージェント:相性が合えば速い(ただし見極め必須)
6) “いきなり本番”が不安なら「障害者トライアル雇用」を使う
障害者トライアル雇用は、3〜6か月程度の試行雇用で相互理解を深め、継続雇用につなげる制度です。厚生労働省トライアル雇用についてはこちら
「働けるか不安」「配慮が噛み合うか試したい」人に相性が良い選択肢です。
7) 就職後までセットで考える(定着支援を最初から使う)
就職がゴールではなく、“続く働き方”がゴールです。
- ジョブコーチ支援:支援計画に基づき、職場に入って具体的に調整していく支援(職場への助言も含む)。ジョブコーチ支援とは
- 就労定着支援:就労後の生活面も含め、関係機関と連携して継続を支えるサービス。
「困ってから探す」より、最初から使う前提で動く方が離職リスクが下がります。
90日ステップアップ手順(そのまま実行できる)
0〜2週:土台づくり
- 働ける条件を数字化(週◯時間、通勤、配慮)
- 職務経歴書の素材集め(A型の業務・成果)
3〜6週:応募の準備
- 書類完成(職務経歴+配慮メモ)
- 面接での説明を30秒・2分の2パターン用意
7〜12週:応募〜面接〜調整
- 週2〜5社ペースで応募(波を作らない)
- 内定後に配慮のすり合わせ(勤務時間、業務、相談導線)
- 必要ならトライアル雇用・ジョブコーチを検討
よくあるつまずき(A型→一般就労)と対策
- 「自信がない」 → 自信ではなく、条件と実績の言語化で戦う
- 「配慮の伝え方が難しい」 → 抽象ではなく、具体行動の提案にする
- 「入社後が不安」 → ジョブコーチ/定着支援を最初から確保しておく
FAQ
Q1. A型を辞めてから就活した方がいい?
基本は、生活と体調が不安定になりやすいので次が決まるまで軸を残す考え方が無難です(個別状況で違うため、事業所・相談支援員・ハローワーク等に確認を)。
Q2. 障害者雇用枠と一般枠、どっちがいい?
「安定して働く」が目的なら、まずは障害者雇用枠が現実的なことが多いです。キャリアを伸ばすなら、経験を積んで一般枠へ、も王道です。
Q3. 面接で障害の説明はどこまで言う?
診断名よりも、仕事に影響する特性・配慮・再現性のある対策を中心に。
Q4. 不安が強いときの入口は?
ハローワーク障害者窓口+必要に応じて、職業センター等の支援(ジョブコーチ含む)が堅いです。【厚生労働省】ジョブコーチ支援事業について
Q5. “お試し”で働ける制度は?
障害者トライアル雇用が代表的です。【厚生労働省】障害者トライアル雇用について
まとめ
- 法定雇用率は2026年7月に2.7%へ。企業の採用は増えやすく、今は準備の好機です。
- ステップアップの鍵は、働ける条件の数字化+A型経験の実務変換+配慮の提案。
- 不安がある人ほど、トライアル雇用やジョブコーチ/定着支援を早めに組み込むと成功率が上がります。
2026年法定雇用率引き上げで一般就労へのステップアップ準備のお役に立てれば嬉しいです。

今回の内容をまとめたTICTOK動画はこちらです。
障害があるから在宅ワークに興味があるけど何から始めていいのか分からないという方はこちらの記事を参考にしてみてください。



