在宅ワーク前の忙しい朝食時間、サッとバターやマーガリンを塗って食べて、なんてことがありますよね?
そのバターとマーガリン、以前は、バターは動物性脂肪で、悪玉コレステロールを増やすから、植物性のマーガリンの方が体にいいと言われていましたが、今はマーガリンはトランス脂肪酸が体に良くないから、バターの方がいいと言われる時代に。
じゃぁ、 実際はどちらが体に良いの?そして 今スーパーで売られている商品はどうなの?
その「モヤっと」を、ここでじっくり検証してみましょう!

バターとマーガリンはどう違うの?
バターは「動物性油脂」
バターは牛乳の脂肪から作られる食品です。コクがあって香りがよく、料理やお菓子づくりに欠かせません。
バターの主原料
バターは主に、生乳(牛乳)から脂肪分の多いクリームを分離させ、食塩が加わるとよくあるバターに。食塩が入らなければ無塩バター、クリームに乳酸菌を加えて発酵させると発酵バターになります。保存性は有塩バターが勝ります。

マーガリンは「植物油がベース」
マーガリンは大豆油や菜種油などの植物油が主な原料。もともとは、飽和脂肪酸が少なく「バターよりヘルシー」として広まりました。パンに塗りやすく、軽い口当たりが特徴です。
マーガリンの主原料
主に植物油脂、水、食塩、乳製品などです。その他、香料や着色料などの、食品添加物が含まれる場合もあります。
マーガリンには主に「マーガリン」と「ファットスプレッド」がある
マーガリンには、主には「マーガリン」と「ファットスプレッド」という2種類(製菓に使われる「ショートニング」もあります。)があります。違いは以下の通り。マーガリンを買う時、「種類別」の表示を気にしてみるのもよいかも?
| 種類別表示 | マーガリン | ファットスプレッド |
|---|---|---|
| 油脂分 | 80%以上が主流 | 80%未満が多い |
| 食感・風味 | バターに近く濃厚 | 軽めで塗りやすい |
| カロリー | 高め | マーガリンより低め |
| 食品添加物 | 若干含まれる | マーガリンより多め |
| 飽和脂肪酸含有量 | 100gあたり 約20g前後 | 100gあたり 約15g前後 |

「飽和脂肪酸」と「トランス脂肪酸」って?
マーガリンよりバターに多い「飽和脂肪酸」
飽和脂肪酸は、乳製品や肉などの動物性脂肪や、パーム油などの植物性油に多く含まれています。
飽和脂肪酸は室温で固まりやすく、体内でLDL(悪玉)コレステロールを上げることがあります。バターは、肉の脂身と同様に、飽和脂肪酸を非常に多く含む食品なので、食べすぎには注意が必要です。
脂肪分がマーガリンよりバターのほうが多いため、飽和脂肪酸は、マーガリンよりバターのほうがはるかに多く含まれています。

マーガリンに含まれている「トランス脂肪酸」
トランス脂肪酸は、摂りすぎると心臓の病気リスクが上がると報告されており、WHOも摂取量を控えるよう勧めています。
昔のマーガリンは、固めるために「部分水素添加油」が使われ、ここにトランス脂肪酸が多く含まれていましたが、今ではほとんどのメーカーが使わず、トランス脂肪酸をぐっと減らしています。
過剰摂取しなければ問題はないとされていますが、買うときは、成分表示で「部分水素添加油なし」や「トランス脂肪酸控えめ」をチェックすると安心です。
農林水産省:🔗食品中のトランス脂肪酸の低減
バターにもトランス脂肪酸が含まれる
バターや牛乳、生クリームにもトランス脂肪酸は含まれますが、マーガリンに含まれる、油脂を加工・精製する工程でできる工業的なトランス脂肪酸とは違い、天然由来のトランス脂肪酸であるため、影響は少ないと考えられています。

どう選べばいい? 失敗しないポイント
バターなら「グラスフェッドバター」が優位
一般的なバター(グレインフェッドバター)はおおむね、飼料を食べた牛の生乳を使いますが、グラスフェッドバターは、牧草だけを食べた牛の生乳から作られたバターで栄養価が高く、濃い黄色をしています。体に良いとされるβカロテンやオメガ3脂肪酸などが多く、風味豊かなバターです。
そのほか、バターを買うときのポイント
・原材料がシンプルなものを選ぶ:「生乳(牛乳)」+「食塩(有塩の場合)」だけのものがおすすめ。
・発酵バターが体にやさしい:乳酸菌で作られていて、消化にやさしく、風味も良い。
・健康を気にするなら無塩バター:料理にもお菓子にも使いやすく、塩分のとりすぎを防げます。
・国産バターは酸化しにくい:国産は輸入品より新鮮なことが多く、風味も保たれやすい。
・余裕があれば低温殺菌のものを:栄養や風味がより残っていると言われています。

マーガリンを買う時のポイント
・トランス脂肪酸を避けるため、「部分水素添加油脂」不使用のものを。
・不飽和脂肪多め、飽和脂肪・トランス脂肪酸低減の記載のあるものを。
・固いタイプより、柔らかめ/チューブ・スプレッドタイプ:トランス脂肪酸や飽和脂肪が少ない可能性があります。
・添加物(乳化剤・保存料など)ができるだけ少ないもの:原材料がシンプルなものを。
おすすめの市販の製品
バターのおすすめは「グラスフェッドバターと発酵バター」
グラスフェッドバターは、栄養バランスが良く、すっきりとした自然な味わい。発酵バターは乳酸菌のやさしい酸味と深いコクがあり、消化にもやさしいといわれています。
どちらも食品添加物無添加で生乳と食塩のみの、気軽に買える、グラスフェッドバターと発酵バターはこちら!
・<グラスフェッドバター> トップバリュ:🔗グラスフェッドバター
・<発酵バター> よつ葉乳業:🔗よつ葉パンにおいしい発酵バター 北海道産生乳使用!
マーガリンは健康志向か?添加物少なめか?で分かれる
健康面ではファットスプレッドの方が、トランス脂肪酸や飽和脂肪酸を抑えやすいですが、マーガリンよりファットスプレッドの方が、添加物が多い傾向なので「健康重視か、添加物少なめ重視か」で選ぶと◎。
おすすめの、マーガリンとファットスプレッドはこちら!
・<マーガリン> Minotte:🔗ORGANIC PLUS 有機のマーガリン 部分水素添加油脂&食品添加物不使用!
・<ファットスプレッド> 明治:🔗明治コーンソフトかるーいタイプ バター風味 部分水素添加油脂不使用、カロリーと脂肪分を1/3カット!

結局バターとマーガリン、どっちがいいの?
マーガリンが悪者の時代は終焉「どっちもメリット・デメリットあり!」
トランス脂肪酸のせいで、長くマーガリンが体に悪いというイメージがついてきましたが、メーカーの努力や技術の進歩で、現代では「どちらかが体に悪い」と言えなくなり、目的と使い方で選ぶのが吉!
- 素材の自然さ・添加物の少なさで選ぶなら → バター(特にグラスフェッドや発酵バター)
- カロリー控えめ・脂質量(飽和脂肪酸)を抑えたいなら → マーガリン(トランス脂肪酸低めのもの)
どちらも“適量”なら問題なし。むしろ大事なのは 「質」と「取りすぎないこと」 。
【まとめ】周りに流されず、自分に合う選び方を
昔は「植物性だからマーガリンのほうが体にいい」と言われ、15年ほど前からは「トランス脂肪酸が少ないからバターの方が安心」と言われ、食べ物の“体にいい・悪い”は時代とともに変わってきました。
食品の成分についても、企業の工夫や技術の進歩で日々変化しています。大切なのは、最新の食品の情報をキャッチしながら、周りの意見に流されず、自分の好みや体調に合ったものを選ぶこと。
もちろん、バターもマーガリンも摂りすぎには注意して、美味しい食事から元気をもらいましょう!

<関連記事>バターとマーガリンを塗るならこれも知りたい!
<参考記事>
・駒沢女子大学/駒沢女子短期大学:🔗誤解していませんか? マーガリンのトランス脂肪酸
・たまプラーザ南口胃腸内科クリニック:🔗バターよりマーガリンのほうが健康によい?新常識とは?
・EPARKくすりの窓口:🔗おすすめのバター6選【管理栄養士選定】
・株式会社Meiji:🔗明治のトランス脂肪酸量の低減への取り組み
・農林水産省:🔗食品中のトランス脂肪酸の低減



