はじめに
在宅ワークは、通勤がない、柔軟なスケジュールで働けるなどのメリットがある一方で、「ひとりで抱え込む」「誰にも話せない」「感情の切り替えが難しい」といった悩みもつきまといます。
特に障がいをお持ちの方や、日々多くのことに気を配る職員の方にとって、心のコンディションは仕事の質にも直結します。
本記事では、心がふと揺れる瞬間にそっと寄り添い、在宅ワークを無理なく続けていくためのメンタルケア術を紹介します。
自分の心にやさしく向き合いながら、健やかに働くヒントを見つけていきましょう。
1. 在宅ワークで「心がゆらぐ」理由とは?
1-1. ひとりで働く「孤独感」

在宅ワークでは、気軽なおしゃべりやちょっとした雑談が減りがち。
「誰とも話していない」という状況が続くと、人とのつながりを感じにくくなり、孤独感が心に影響を及ぼすこともあります。
1-2. オンオフの境界があいまい
リビングでパソコンを開けばすぐに仕事モード。
休憩時間も「なんとなく仕事のことが頭から離れない」という経験はありませんか?
オンとオフの切り替えがうまくできないと、脳も心も疲れが蓄積しがちです。
1-3. 自己否定のスパイラル
「今日はあまり進まなかった」「自分だけ遅れてるかも」など、他人の目がない環境だからこそ、自分へのダメ出しが増えてしまうことも。
在宅ワークでは、自己評価が過度になりやすいという側面があります。
2. 心のケアは日常の「ちょっとした習慣」から
2-1. 一日の中に「気分のリセットタイム」を入れる

朝・昼・夕方など、意識的に「自分のための5分」を取りましょう。
以下のような時間は、簡単でも心に効果があります。
- アロマを焚いて深呼吸(香りのリラックス効果あり)
- ベランダで日光浴しながらストレッチ
- 音楽アプリでお気に入りのプレイリストを1曲聴く(例:Spotify)
2-2. 小さな「達成感」を積み上げる工夫
- チェックリストで「できた!」を見える化
- ToDoは3つまでに絞る
- 「洗濯できた」「机を拭いた」など家事もタスクにカウント
行動と結果を可視化するだけで、気持ちの安定につながります。
2-3. 「不安なときの言葉」を準備しておく
不安や焦りが出たときに、自分にかける言葉を用意しておくと安心です。
例:
- 「今は立ち止まってもいい」
- 「ひとつずつやれば大丈夫」
- 「比べなくていい、私のペースで」
お気に入りの言葉は、メモ帳の表紙に書き留めたりスマホの待ち受けにしても◎。
3. 誰かとつながることも心の栄養に
3-1. オンライン交流を気軽に取り入れる

「人と話すこと」は、感情の整理や安心感につながります。
オンライン通話やチャットアプリを使って、ちょっとした会話を日常に。
おすすめツール:
- LINEオープンチャット(テーマ別に交流できる):
https://openchat.line.me/ - Zoomで友人と雑談タイム
https://zoom.us/
「毎週金曜の夜に雑談する」など、ルールを決めて習慣化するのもおすすめです。
3-2. 安心して相談できる相手をもつ
心のもやもやを溜め込まないためにも、「話していい」と思える存在がいることはとても大切。
家族や友人以外にも、相談できるサービスを活用しましょう。
- よりそいホットライン(24時間対応)
https://www.since2011.net/yorisoi/
電話:0120-279-338(通話料無料) - チャイルドライン(18歳までの方向け)
https://childline.or.jp/
気持ちを外に出すことで、自分を取り戻すきっかけになります。
4. メンタルケアに役立つアプリやツール
4-1. 感情を記録する「こころログ」
アプリを使って、その日の気分や出来事を記録してみましょう。
心の変化を“見える化”することで、自分のリズムや傾向がわかるようになります。
- muute(ミュート):AIが感情を分析してくれる日記アプリ
https://muute.jp/ - COCOLOLO(ココロロ):スマホカメラを通じてストレス状態を計測
https://cocololo.jp/
4-2. 呼吸を整える「瞑想アプリ」

短時間の呼吸法や瞑想は、交感神経の高ぶりをおさえ、気持ちを落ち着けるのに役立ちます。
- InTrip(イントリップ):日本語対応のマインドフルネスアプリ
https://in-trip.net/ - Meditopia(メディトピア):瞑想・睡眠用BGMなど豊富なメンタルコンテンツ
https://www.meditopia.com/ja
※アプリは無料プランでも十分使えます。まずは5分から始めてみましょう。
5. 「自分にやさしく」働くスタイルを見つけよう
5-1. 「休む=さぼり」ではない
在宅ワークでは、「働いている実感」を得にくく、つい休むことに罪悪感を持ってしまう人もいます。
でも、心と体を回復させる時間は、次の行動を生む“準備時間”。
休むことも仕事の一部と考えてOKです。
5-2. 自分の特性を知ることもケアのひとつ
- 「朝は調子がいい」
- 「音があると集中できない」
- 「週に1日は全く予定を入れない方が楽」
など、働く上での“自分の取り扱い説明書”を知ることもメンタルケアの一環です。
無理に世間の「正解」に合わせる必要はありません。
まとめ
在宅ワークは自由度が高い反面、自分自身と深く向き合う働き方でもあります。
心が揺れるのは、決して弱さではなく、変化に対応しながら頑張っている証拠。
だからこそ、「心を整える習慣」を持つことは、日々の安定や安心につながります。
完璧じゃなくてもいい。できるところから、やさしく、丁寧に。
あなたの在宅ワークが、無理なく続けられるものとなりますように。