自己肯定感を育てる、やさしい心の回復術
はじめに
在宅ワークは、自分のペースで働ける一方で、「今日は何もできなかった」「結局だらだらしてしまった」と落ち込む日も少なくありません。
特に障がいをお持ちの方や支援者として働く方にとって、体調や環境の波に左右されることも多く、思い通りに過ごせない日があるのは自然なことです。
この記事では、そんな“できなかった自分”を責めるのではなく、やさしく受け入れ、前を向くための「思考法」をご紹介します。
心を少しずつ回復させ、自己肯定感を育てるヒントを、一緒に探っていきましょう。
1. 「何もできなかった」は本当に“ゼロ”なのか？
小さな行動も「できたこと」として認めよう
「何もできなかった」と感じる日でも、実は何かしらの行動はしているものです。
たとえば、朝起きて顔を洗った、薬を飲んだ、メールを1通返した…これらは立派な「できたこと」です。
自分の行動をゼロか100かで評価してしまうと、「できない日」はすべて×（バツ）になってしまいます。
そうではなく、「今日も一歩進めた」と、小さな成功を認めることが、自己肯定感の回復につながります。
おすすめ：できたことメモ
・寝る前に「今日できたことを3つ」書き出してみましょう。
・アプリ「Daylio」（https://daylio.net/）など、気分と行動を記録できる無料ツールも便利です。
2. 自分を責めない「言葉の選び方」
「〜しなきゃ」ではなく「〜したい」に言い換える
「今日はちゃんと働かなきゃいけなかったのに…」
「もっと頑張るべきだった…」
こうした“べき思考”は、自分を追い込む原因になります。
代わりに、「今日は体を休めたからよかった」「明日は少しでもできたら嬉しいな」といった“やわらかい言葉”に変えてみましょう。
言葉は思考を作ります。
日常で使う言葉を少し変えるだけで、心の重さが軽くなります。
例：やさしい言葉への変換リスト
・「まただめだった」→「今はそういう時期なんだな」
・「こんな自分じゃだめだ」→「疲れている自分にもやさしくしよう」
3. 「できない日」も含めて、自分のリズムを知る
日ごとのエネルギー波を把握する
人には、気分や体調に波があります。
それは誰にでもある自然な現象で、「今日はやる気が出ない」と感じるのも、ごく普通のこと。
特に在宅ワーカーは、外部からの時間的な区切りが少ない分、自分の体調やリズムをつかむことが重要になります。
できない日を「失敗」と捉えるのではなく、「自分のリズムを知るチャンス」として受け止めてみましょう。
おすすめ：1週間の体調記録
・朝・昼・夕の3回、気分やエネルギーを数値（例：1～5）で記録
自分の「活動しやすい時間帯」や「休みたい日」の傾向が見えてきます
4. 回復の時間も「前に進んでいる」
何もしない＝“エネルギーチャージ”
体も心も、充電が必要です。
スマートフォンのバッテリーが切れたら充電するように、人間も“立ち止まる時間”があっていいのです。
「今日は休むための日だった」と、あえて認識することで、自己否定のループから抜け出せます。
こんな日こそやってみたい
・好きな音楽を聴く
・自然の音（雨音、川のせせらぎ）を流してリラックス
・アロマを使った呼吸タイム（アロマがなくても深呼吸だけでOK）
5. 自分と仲直りする「振り返りの習慣」
1日の終わりに、自分に問いかけてみよう
自己肯定感を育てるには、自分との対話が欠かせません。
特に「今日はだめだった」と思った日こそ、自分にやさしい問いかけをしてみてください。
おすすめの問いかけ例
・「今日は自分にどんな時間をあげられた？」
・「自分に足りなかったのは“努力”ではなく、“休息”ではなかった？」
・「明日、どんな気持ちで1日を始めたい？」
習慣にすると、自分にとって心地よいペースや生き方が見つかりやすくなります。
まとめ：自分にやさしく、長く続く在宅ワークを
「今日は何もできなかった」と感じる日があっても、あなたが価値のない人間になるわけではありません。
できなかった日も、自分を知り、整える大切なプロセス。
自己肯定感は、“何かができた”ことで得られるものだけではなく、“どんな自分でも大切にする”ことで育っていきます。
思考のクセを見直し、やさしい言葉を選び、小さな回復を積み重ねることで、在宅ワークの毎日がもっと安心で、自分らしいものになっていきます。
どうか今日という日が、「何もできなかった日」ではなく、「自分にやさしくできた日」になりますように。
